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2008/9/5

<28>

「そんで? 今日どこ行く? つうかお前、どっか入りてえポイントあるか?」
「そうだな。どこっていうより、どこでもいいから度肝抜かれるようなすっごい海を見せてくれ」
「えー、なんだよそれ」
 いやなリクエスト、とキャベツを刻みながら笑う左之助に剣心が追い討つ。
「お手並み拝見。なにを見せてもらえるかな。期待してるぞ」
 午後からのダイビングの相談をしながら、昼食にありあわせの野菜でお好み焼きを作っていた。
 生地は基本のキャベツにラディッシュの葉と、さらにショップの横手に自生してうるさいほどに茂っているオクラを刻んで加える。オクラといえば日本では星形の若い果実を食用するが、ここいらでは結実しないらしく、葉を食べるという。天狗のうちわのような巨大な葉っぱで、あのオクラとこのオクラが同じ食べ物とはつながりがたいが、しかし刻むと粘るところはよく似ている。その粘りが山芋の代わりになるのではという目論見と地産地消の見地から今回の採用となったのだったが、結果は微妙だった。
「うーむ……」
「葉が堅え。ガシガシ。しかもそのくせ変にモッチョリしやがる」
「粘りは出るけどふんわりはしないんだな。筋が残るのも確かに気になるし。もうちょっと若い芽ならまだマシだったか」
「くそう、オクラめ」
 シーフードをたっぷり入れたので味は悪くないのだが、何せ柔らかいのか堅いのかなんとも言えないような不思議な食感で、手放しの妙味とは言い難い。
「この葉は和え物か炒め物か何かの方が向いてるんじゃないか。それかこう・・使う」
 神妙な顔で濃い緑色の大きな葉をぱたぱたとそよがせ、剣心は自分の顔をあおいだ。
「それ正解」
 左之助が笑って真似をした。

 だが、昼食の片付けが済む頃になると、今朝にはさほどの警戒にはあたらないと思われた熱帯低気圧がわずか半日も要せずして予測不能の急成長を遂げたことは、インターネット回線を通じて送られてくる雄弁な衛星画像を待つまでもなく明らかになっていた。
 台風である。
 しかも明らかに暴風圏内に入っている。
 ダイビングどころではない事態なのは明らかだった。
 不吉な風がドアや窓をガタガタと鳴らして暴れている。
 空は青く雲も多くはないが、嵐の前のただならぬざわめきがいやというほど満ちていた。
 剣心は眉をひそめた。
「これは……大きそうだな」
「ああ。つうかなんなんだ最近? 天気メチャメチャじゃねえかよもう。これも温暖化のせいなんかな」
 普通台風は赤道付近のこの海域で発生して、北上しながら勢力を拡大していく。猛威を振るうのは東南アジアや東アジアに入ってからで、このあたりが台風の被害に遭うことは滅多にないはずなのだ。だが、先月に続いて早くも今年二度目の異例の台風襲来である。
「げ。でかっ。つうかやばっ」
 インターネットの普及でこんな離島でもいながらにしてリアルタイムの気象映像を見ることができる。まっ白の大きな綿菓子が刻々と姿を変えて移動している、その予想進路の帯の真っただ中にポナペ島を示す小さな点は呑まれていた。
「うえー。夜には直撃じゃねえか」
 そうこうするうちにも刻々と風は強まり、みるみる島全体が浮き足立っていく。
 時間がない。
 二人も急いで仕度にかかった。
 まずはボートだ。これは必需品だけに損害の痛手が大きい。
 船体にロープをかけ、手近な枝を枕木に、リゾートのスタッフにも手伝ってもらって椰子の防風林まで引き上げ、横倒しにして固定した。桟橋も数日前に補修したばかりで惜しまれるが、これは外すわけにも移動させるわけにもいかない。あとはもう運に任せるより仕方がない。ダイビングショップと厨房は丈夫な雨戸がある。しっかり戸締まりをして、念のため気になるところだけ打ちつけておけばいい。問題は器材置き場だった。中にはレンタル器材と高圧タンクと、そして高圧ガス充填用エアチャージャーがあるにもかかわらず、入り口は一枚ものの大きなフェンスだけ。しかも先の台風でかなり弱ったままになっている。そのままにはできない。ありあわせの木材をあるだけかき集めて入り口を塞ぐことにした。とにもかくにも万一暴風雨の直撃を受けたときに中がミキサー状態になることを避けられればそれでいいのだ。後のことは考えずに堅牢さだけを目指して何重にも板を張りたおし、釘を打ちまくった。
 刻一刻と強まる風と独特の不穏な匂いに危機感を煽られながらなんとかそこまでの処置が済んだ、ちょうどそのとき。
 ポツン―――。
 最初の一滴が剣心の頬を叩いた。


 時刻はまだ三時になるかならないかだったが、あたりには変な暗さが漂っていた。
 空は重く湿っている。
 もうあれこれ考えている時間はない。
 二人は食糧を備えて、すでにバタバタと音を立てつつある大粒の雨の中を部屋に急いだ。
「ふうー」
「間一髪ってとこだな」
 ぷるるるっと水滴を跳ねとばして息を吐く。とはいえ、まだしておくべきことがあった。
 よくいえばログハウス、平たくいえば掘っ立て小屋同然の南国普請(なんごくぶしん)である。多少の風雨が吹きこんでくる程度は仕方がないとしても、先の台風の折のようによろい戸が丸ごと持っていかれてはたまらない。海側のウッドデッキに面した掃き出し窓と浴室のよろい戸をしっかり()てきり、さらに外側から板を打ちつけて補強した。
 作業がすべて完了する頃には雨は横なぐりの本降りになっていた。
 おかげで二人ともずぶ濡れになってしまったが、ともあれこれでやっと本当に“やれやれ”である。
 コテージの給湯設備は太陽熱による蓄熱方式だ。湯の出るうちにと交互にシャワーを浴びて風雨に冷えた身体をあたため、ホッと人心地がついたところで、二人は夕食の準備にかかることにした。なんだか食べてばかりのようだが、しかし非常の際こそ補給はゆめおろそかにできない最重要任務である。
「さーて。どう料理するかな」
 剣心は持ち込まれた烏合の衆的な顔ぶれの食材を見回して、仁王立ちに腕を組んだ。
 左之助も同じポーズで隣に並ぶ。
「うむ。どうでもできそうっちゃできそうな割にゃあ、意外に手がない、かも」
「うむ。かも」
 ああだこうだと意見を出しあって作業を進めた甲斐あってか、ほどなくこんな状況にしてはなかなか豪勢な手のこんだ晩餐が用意されて二人を満足させた。
「いただきます」
 食前食後に必ず手を合わせて律儀に一礼するのは、出会った頃から変わらない、左之助の意外で好ましい習慣だ。
 剣心の目尻が和む。
「お前、昔からそういうとこは律儀だよな」
「つうかだって食えねえと死ぬしよ。メシには感謝。普通に」
「いやまあそうだが。その普通が普通でないのが今の時代でもあるわけだし」
「あー、まあそうか? ま、いーじゃん? んなこたいいから食おうぜ」
 左之助は本日のディナーのメインディッシュであるコンビーフドッグに手を伸ばした。
 ほぐしたコンビーフに、トマト、きゅうりのダイスカット、つなぎの生クリーム。そこに刻んだヘーゼルナッツ、粉チーズを加え、カルダモン、シナモン、クミンシードなど数種のスパイスで香りをつける。それを名称不明なロメインレタス様の葉野菜と共に小ぶりのドッグパンに挟めば、適当流即興料理の完成である。見た目は地味でシンプルだったが、しかしこれが思わず「おっ」と言わずにおれぬほど美味だった。
 野菜とナッツがそれぞれの食感と風味と香りで単調なコンビーフの味を広げ、巧みに選ばれた香辛料のエスニックなスパイシーさが本格カレーを思わせる豊かな味わいで、左之助をして「うめえ。これでコンビーフドッグ屋やったら絶対はやるって」と言わしめた。
「コンビーフドッグ屋っていう名前がいかんだろ。要再考」
 言いつつ剣心も出来に不満のある顔ではない。
 つけあわせのツナサラダも、胡麻油と酢醤油を合わせたドレッシングが即席ながらも中華風に香ばしく、コンビーフドッグのカレー風味とあまり好相性とはいえない点を差し引いても、そして飲み物が水とビールしかない点を差し引いても、充分に満ち足りた食卓だった。

 この不測の緊急事態をそれほど災禍だと感じてはいない自分がいることに剣心は気づいていた。
 むしろホッとしているといってもいいくらいだったかもしれない。
 夕方か夜にでも話をしなければと思っていた。
 そこへこの嵐である。
 南の島で海の仕事をする者にとって台風は切実で破壊的な脅威だ。込み入った話などしている場合ではない。
 気が張っていただけに、肩すかしをくったような変に宙ぶらりんな気分だった。
 同時に、不思議な気分でもあった。
 不安ではあるが、恐怖がないのだ。
 最悪の事態は容易に想像される。大変だと思う。「この直撃っぷりはちょっとやばいんじゃ」とも思う。だが一方で焦慮がない。「そうか」と思っている。
 それは「そうか」としかいいようのない気分だった。
 だれにもどうにもできない自然の現象だからかもしれない。左之助と一緒だからかもしれない。左之助はどうなのだろう?
 そう思ってふと顔をめぐらした、その瞬間だった。
 前触れのひとつもなく、部屋が真っ暗になった。
 停電だ。そう理解するまでに少し間が要った。()てきった部屋は真っ黒といいたいほど真っ暗だった。目覚まし時計の蓄光文字だけがぼんやりと緑色に浮かびあがっている。目はなかなか慣れない。
「うお。見えねー」
 左之助の声がして、がたんとなにかの落ちる音が続いた。
「えーっと。懐中電灯、懐中電灯……っと」
 すり足で歩く足音が部屋を横切る。
 ほどなく「あった」という声と同時に光がついた。単一電池二本分の光をこれほど頼もしく思ったことはないと思うほど、その光は力強く見えた。
「うえ、ビビった」
「よそもかな」
 よろい戸の隙間から外を覗くと、墨を流したような闇が目の届く限りに続いている。
 リゾート全体だ。
 いや、ひょっとしたらもっと広範な――たとえば島じゅうの――停電かもしれない。
「………」
「………」
 左之助がろうそくを出してきて火をつけた。柱のようなろうそくだ。片手では持つに余るほど太く大きい。普段、蚊取り線香台に使っているガラスの灰皿に足元を固めて立て、二台のベッドの間の床に置いた。そこが一番風に当たらなさそうだったからだが、それでも吹き込むすきま風は部屋の空気を動かして、その小さな強い光源を不規則にざわめかせた。
 急にしんとしたようだった。
 外では相変わらず風がごおごおと唸って、激しい雨滴はバタバタと屋根をうち、木も海も低く高く騒いでいる。部屋の中ではボードに貼られた紙や浴室のドアがかさかさガタガタと鳴り、何かが軋み、ろうそくの芯がときおりジジジッと音をたててはぜる。
 だがそれでも、白く揺るぎなく輝く小さな灯光の及ぶ範囲には、濃くあたたかな静寂がぶあつく敷きつめられていた。
 周囲の音が遠のいていく――。
 言葉はぽつりと、機を得た種子がさやを破るように自然に口から飛び出していた。
「左之――。俺になにができる?」
「え?」
「俺はお前になにがしてやれる? 俺はなんの役に立つ?」
 剣心自身にとっても予想外の言葉だった。
 どうしてそんなことを言い出してしまったのか、自分でもわからない。頭で考える前に口が喋っていた。待て、まだだ。まだ時機ではない。そもそもこんな話をしている場合ではない。内心慌てながらも、いったんあふれた水は留めようがなかった。意思に反して言葉が流出する。
「俺は何か役に立っているか? お前の役に立っているのか? 俺に何ができる? 何か少しでも有益なものになっているのか? もし……もし仮にそうだとしても、でも……でも、これから先も?」
「剣心……」
「だってそうじゃないか。お前はもうなんでもひとりでできるし、俺にできることなんか何もなくて、しかもこんなだし」
「剣」
「俺は、お前の足かせに、なりたくない」
 ぎゅっと唇を噛んで、剣心はぺたぺたと頭を叩いた。
「……すまん。なに言ってるんだろうな、俺は。こんなときなのに。馬鹿なことばっかり。すまない。そんな場合じゃないよな。話はまた今度……。とりあえず今のは、なかったことにしてくれ……」
 すきま風にろうそくの炎が揺れてふたりの影が大きくうねる。
「つうかむしろいいんじゃねえの? 台風がおさまるまで外にも出れねえわけだし。もう別にすることもねえし。てかなんもできねえし。ゆっくり話すにはちょうどいんじゃね? 邪魔も入んねえしよ。ん?」
 左之助はおどけた調子で肩をすくめた。そしてすくめた肩が下りると同時に、ふっと真顔になって、視線を落とした。鼻梁が濃い影を描く。
「役に立つ……か……。そっか。お前はそんな風に考えるんだな」
「………」
「で? 剣心的にはどうなんだ? ずっと考えてたんだろ? どう役に立ってる――あるいは立ってねえとお前は思うわけ?」
 問う左之助の口調は子守歌のように優しい。
 剣心は俯いて黙り込み、ふるふるとかぶりを振った。
「わからない……。わからないんだ」
「………」
「考えた。ずっといろいろ考えてた。でも自分の気持ちなんか考えたってもうどうにもならない。だからお前がどう思ってるのか知りたくて、とにかく会ってみようと思って………それで、来た。まだ何も、答えは出ていなかったけど」
 想像の中の左之助ではなく、答えない、さわれない、記憶の残像ではなく、今現在を生きている生身の左之助のことを知りたかった。
「だからここに来てからずっとお前を見てた。お前ににとって俺はなんなのか、なんの役に立つのか、俺に何かができるのかどうか。それが……知りたかったから……」
 左之助は黙って先を促す。
「でも……でもだめだった。だめだった。わからなかった。もうちょっとだと思った。あと少しで全部わかると思った。でもだめだった。自分じゃわからないんだ。そうかもしれないとも思える。全然いらないような気もする。でもどっちも信じられない。自分が信じられない。自分に都合よく誤解してるんじゃないか、勝手にいいように歪めて見てるんじゃないか、思いたいように都合のいいところだけ見てるんじゃないか。あるいは逆に被害妄想でなにもかも悪い方に悪い方に取りすぎてるんじゃないのか……」
 ごうごうと唸る風の咆哮がコテージをわしづかみにしている。がらがらとなにかが飛んでいく音。ぶつかる音。ろうそくの炎がわななくように揺れた。
「駄目だ左之。俺はどうしたらいい。俺……自分じゃ無理なんだ。一緒にいていいと思える理由が、俺には見つけられない……」
「気持ち的にはイエスなのに?」
「気持ちなんか……! そんなもの、好きなんだから当たり前だろう! こんなに好きなのに……だからこんなにどうしていいかわからないのに……!!」
 臓腑を吐くようにそう言って、剣心は掌に顔を埋めた。
「俺に言わせりゃ“ならいーじゃん”なんだけどなー」
 左之助が小さく溜息をつく。
「つうか大事なのそこだし。役に立つとか立たねえとか、そんなこと関係ねえって思うんだがよ」
 あ、そりゃまあお役に勃たねえのは困るけどよ、うん、と真面目くさって頷き、おもむろに床にしゃがんで剣心を見上げた。
「でもお前にはそうじゃねえんだな? お前はそこが納得できねえとダメなんだな? 好き、だけじゃダメなんだな? 俺にはお前が必要なんだっつっても、そんだけじゃ自分を許せねんだな?」
 ひときわ強い風雨に部屋が揺れ、みしみしと嫌な音がした。壁も屋根も悲鳴を上げている。
 人間の力などかけらも及ばない強大な自然の力だ。
 ふいに、魔物が剣心をつかまえた。心の奥底から浮かび上がってきたのは、剣心自身ここで遭うとは思いもよらなかった魔物だ。剣心はぎくりと身をすくめて、息を詰めた。毛穴が締まる。いつになっても癒えることのない傷口から、新しい血が流れ出す。重いかたまりが咽喉をふさいでせり上がってきた。
 剣心がぺたりと座り込んで口を開くまでに一体どれだけの轟音と唸りが過ぎただろうか。
「俺……」
 ガタタン、ガタタタタンとよろい戸が暴れている。剣心の唇がぶるっと震えた。
「それに……。そうだ、俺は、ひとごろしだ。ひとごろしが……ひとごろしが、幸せになんか、なっていいわけがない。俺はきっとお前を不幸にする」
 自分を信じた六人のゲストと一人のサイパン人スタッフ。失われた七つの命は年を追うごとに重さを増し、ふとした拍子に深海の底から浮上しては剣心を押し潰そうとする。お前のいるべき場所はそこではないと足元に忍び寄る。
 震えを封じるように剣心の両肩をおさえて左之助が立ち上がった。
「聞きたいというならいくらでも言うが」
 背後に回った左之助が肩をつかむ手に力をこめた。
「だが、たとえば俺が、お前が俺にとって何なのかってことを必死に説明したとして」
 低い声がろうそくの照らす闇に響く。
「俺はお前みたいになりたくてずっとやってきたんだとか、お前に会ってなかったら仕事もダイビングもとっくにやめてプータローに戻ってただろうとか、俺はお前が思ってるほど上等でも強くも前向きでもねえつうかホントはすげえ人でなしだとか、俺はもうお前がいねえと駄目だとか、ただ生きるためだけに生きてけるほど強くないとか――」
 ズビ、と鼻をすすって、剣心は続きを待つ。
「たとえばそんなことをどんだけ言って説明したって、お前は納得できねえ。ちがうか」
 ちがわない。
 その通りだ。
 得ることを(おそ)れて進むことも退くこともできずにいる今の剣心は、白昼の暗闇に立ちすくむ凍えた子どもだった。信じたいのに信じられないから苦しんでいる。信じられないのは相手ではなく自分自身だ。そんな人間に何かを信じろというほど酷な言葉はない。
「言えというならいくらでも言う。何度でも言う。俺にはお前が必要だ。お前となら不幸になってもむしろ本望だ。いいか、剣心。お前がどう思ってようと、どんだけ疑おうと、もしたとえ迷惑だったとしても、俺にお前が必要なことに変わりはない。――あとはお前が、決めるだけだ」
 両肩に乗せられた掌が温かい。暴走していた感情が少しずつおさまっていく。
「とりあえずお前、今日はもう寝ろ。そんで台風おさまったら海行こう。な」
「………」
「陸で考えるからおかしくなんだよ。頭グチャグチャんなった時は潜るのが一番だって」
「左之……」
「海ん中じゃ人にも自分にもウソはつけねえ。だろ?」


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わらくる<28> 2008/9/5





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