妄想名言帖〜過去集積〜 2005年10月 |
一生涯、いや今後来たるべき幾生涯もの間、このひとの柔らかな腕に我が身を抱かれ、このひとの愛撫の声を我が耳に聞くことができれば、それだけであとは何も欲しくないとさえ思ったのであります。 | 小泉八雲 「伊藤則資の話」 <佐倉裕さまより> |
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「わたくしは、疲れてしまいました。わたくしを、そんなに見つめては、いけません。わたくしを愛しては、いけません。わたくしは、やがて死ぬる身体です。けれども、明日の朝、東の空から生れ出る太陽を、必ずあなたの友にしてやって下さい。あれは私の、手塩にかけた子供です。まるまる太ったいい子です」 夕焼けは、それを諸君に訴えて、そうして悲しく微笑むのである。 |
太宰治「善蔵を思う」 | ||
手足は凍って貝になっても、こいしと泣くのが本望な。 | 泉鏡花 「歌行燈(うたあんどん)」 |
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私は誉れを求めない つれづれの安らいこそが こよなく甘く心をとらえる |
プーシキン <ほた様より> |
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