三つのマッチを一つ一つ擦る 夜のなか はじめは君の顔をいちどきに見るため つぎのは君の目を見るため 最後のは君の唇を見るため 残りの暗闇は今のすべてを思い出すため 君を抱きしめながら |
ジャック・プレヴェール 「夜のパリ」 |
|||||||
君よ知るやかの国を レモンの花の咲く国を …… 彼方へ 彼方へ わが恋人よ、 いざや君とともに行かなむ。 |
ゲーテ 「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」より ミニヨンの歌 |
|||||||
彼女は眉をひそめるかわりに微笑した。 泣き伏す代りに端然と坐った。 あたかもその坐っている席の下からわが足の腐れるのを 待つかの如くに。 |
夏目漱石「行人」より | |||||||
山本山<4884>記念リク 〜七条飛白様 「左之助、やりたいけどそんな雰囲気ではない」 |
||||||||
とそれならぬ、姉様(あねさん)が、 山賊の手に松葉燻しの、 乱るる、揺めく、黒髪までが、目前(めさき)にちらつく。 |
泉鏡花 「国貞ゑがく」より |
|||||||
いいえ昨日はありません 今日を打つのは今日の時計 昨日の時計はありません 今日を打つのは今日の時計 |
三好達治 「昨日はどこにも ありません」 |
|||||||
また朝がきて ぼくは生きていた | 谷川俊太郎「朝」 | |||||||
梓弓引きて弛べぬ丈夫(ますらを)や 恋とふものを忍びかねてむ |
詠人知らず 万葉集 <七条飛白様> |
|||||||
|